どうもご無沙汰しております。
さて、早いものでもう夏休み、みなさんいかがお過ごしでしょうか?
わたしはと言うと、海にも行かず、山にも行かず、部屋に引きこもっております(……)。
というのは、実は夏休み前に「ペンタブレット」を買ってきて、
いま現在、ペンタッチの練習に悪戦苦闘している真っ最中だからである。
今年のはじめ、このブログ上で、
「そろそろ、次回作を描き始めようと思います」と宣言して、はや半年、
さぞかし、サクサクと作業が進んでいるだろうと思いきや、実はまだ「なにも描いちゃいない」。
ネーム(原稿に清書する前段階のモノ)は一応、出来上がっているのだが、
しかし、どうしても原稿に向かう気がしないのだ。……はて、一体これはどういうワケだ?
別に漫画が描きたくないワケではない。
いくつか描きたいと思っている作品は存在する。
たとえば、現役当時「諸事情」によりお蔵入りさせたが、自分自身、原稿化して残しておきたいと思っているような作品もあるし、また完全な新作のアイデアも出来つつある。
しかし、どうしても「原稿に向かう気がしない」のである。
いや、もっと単刀直入に言おう。実は「原稿に向かうのが怖い」のである。
ちょっと大袈裟な言い方かも知れないが、
「原稿を描く」という行為は、かなりの「勇気」と「決断力」が必要になる。
なぜなら失敗が許されないからだ。
「失敗してもホワイトで修正すればいいじゃないか」と思うかも知れないが、部分的ならまだしも、全体的にデッサンやパースが狂っていた場合、結局、まるまる1ページが無駄になってしまう。
だから、寝ぼけまなこでは描けないし、ましてや酔っぱらって執筆するなど言語道断である。
精神を統一し、迷いをふりはらい、ペンの一挙手一投足を「決断」しながら描かなければならない。
しかし、今のわたしは、その「決断力」が完全ににぶってしまい、「原稿に向かうのが怖い」ような状況に陥っているのだ。――なぜ、そんなことになったのか?
これって、もしかして「現代病」の一種なんじゃなかろうか?
パソコンを始めて、かれこれ10年になる。
正直、パソコンを使いながら思うのは、「あぁ、なんて楽チンな道具なんだろう」ということだ。
たとえば、なにかミスをしても、「Command+Z」(Ctrl+Z)すれば元に戻ってくれるし、
また、こまめに保存しておけば、大きな失敗をした場合、一発で「復帰」することもできる。
つまり、なにも「決断」しなくても、ただ漫然と作業していれば、それなりのものが完成するのだ。
結局、わたしの「原稿恐怖症」も、このパソコン万能社会という「悪しき習慣」に、ドップリひたりきってしまったための弊害なのではないだろうか?
……なんだか、話が脱線してしまった気もするが、
ともかく、そういうことで、わたしは「ペンタブレット」を買ってきた。
「勇気」も「決断力」もいらない。ビール片手に「のんべんだらり」とペンを走らせている。
ちょっとくらいデッサンが狂っても、「Command+Z」すればいい。または「復帰」すればいい。
「いやぁ、楽チンだなぁ」
と、言いたいところなのだが、なんだか絵のタッチが変だぞ。
いま現在、こんなショボくれた絵(→クリック)しか描けないじゃないか。
タブレットと、ディスプレイが別々になってるため、スゴい違和感がある。
思ったところにペンが動いてくれないのだ。
いったい慣れるまでにどれくらい時間がかかるんだろうか? さっぱり分からない。
このままでは「決断力」どころか、「画力」すらも失ってしまいそうだ。
……ということで、いま現在、悪戦苦闘している真っ最中なのである。
はてさて、一体いつになったら新作が出来上がるんだろうか?