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「風姿奇伝」制作中止!

もう、や~~めた!!
今年の5月に「風姿奇伝」第1話を配信してから、かれこれ2か月――。
知り合い数人に、いろいろと批評を聞いてまわっていたのだが、誰ひとりとして評価してくれる人がいない。さすがに「やる気」がなくなってしまった。

「ぼくは、あんまり好きじゃないけど」
「歴史好きの人なら面白いと思うかも知れないが」
「どうしても描きたいのなら、描いたら良いんじゃない?」
等、なんだか他人事のような言葉のオンパレードである。(いや、そりゃ他人事か)

「どうしても描きたい」のかと言えば、正直そんな情熱など、まったくない。
そもそも、わたしは「歴史もの」も「長編もの」も、ちゃんと描いた経験がないし、最終的にどれくらいのページ数になるのかも未定のまま、無計画に始めてしまったのだ。
この先、誰からも評価されない状態で、それでも延々と描き続けるなんて、もはやそれはただの「拷問」である。

ともかく、連載を中止した以上、トップページからも、リンクを削除した。
未完の作品を、そのまま陳列し続けるのも「不親切」だからである。
……でも、やっぱり、ちょっともったいない(笑)ので、このブログ上にだけ、こっそり残しておく事にしました (^^;)。→「風姿奇伝(未完)

さて、そもそも、なぜいきなり歴史物の長編漫画を描こうとしたのか?
あまりにも、それまでの作風と違い過ぎる。一体どういう心境の変化があったのか?
とりあえず「備忘録」として、その経緯を書き記しておこうと思う。

以下、ただの「無駄話」です
実をいうと、わたしは「歴史おたく」なのだ。
現役当時、わたしは不条理ナンセンス風の漫画を描いていたのだが、そういう作風のものが好きだったのは20代の頃までの話で、それ以降は、基本的に歴史関連の本ばかりを、好んで読むようになっていった。

30歳過ぎて、このサイトにて再び漫画を描き始めたワケだが、相変わらずの、代わり映えのしないナンセンス・ギャグっぽい作風に、実は「飽き飽き」していたのである。
そこで、一念発起して「歴史漫画」を描こうと決意したのだ。

南北朝時代を舞台に選んだ理由は、戦国時代や幕末などに比べ、この時代(特に後半の両朝合一の部分)をきちんと描いた作品を、今まで読んだことがないからである。
つまり、誰も描いてくれないので、オレが描いてやろう(笑)と考えたのだ。

ところで、なぜ南北朝時代について書かれた小説やドラマが少ないのか?
それは「天皇制」というアンタッチャブルな題材を扱うため、下手に書けば、ある方面から強い圧力がかかる…等々、「もっともらしい理由」を聞いた事がある。
でも本当の理由は、この時代を象徴する「主人公」が居ないからじゃないだろうか?
この時代の最大のヒーロー・楠木正成は、南北朝初期の段階で死んでしまう。また、南北朝合一の立役者・足利義満は、主人公というより「ヒール役」である。
じゃあ、やはり誰も居ないのかと言うと、ひとりだけ「うってつけの人物」がいる。
それが「世阿弥」だと、わたしは考えるのだ。

世阿弥にしろ、足利義満にしろ、実はいろいろな「謎」が存在する。
それらを絡めつつ、この南北朝時代を伝奇的に描写してみたいと思ったのである。
――と、結構壮大な構想のもと、わたしはこの「風姿奇伝」を描きはじめたのだが、冒頭にも書いたとおり、第1話をもって「もう、や~~めた」ワケなのだ。

しかし、アイデア的には、描き手次第で「傑作」になり得ると、今でも思っている。
それに、南北朝時代を題材とした作品を、わたし自身、読みたいのは確かなのだ。

……と言うことで、この「風姿奇伝」、誰か続きを描いてくれないか?