夏の懺悔(ざんげ)
今月に入ってから、何度も何度も「予告編」を書き、引っぱるだけ引っぱって、
読者を大いに期待させた挙げ句のはて、結局「なんとも期待はずれな作品」をHPにアップいたしましたことを、お詫び申し上げます(?)。
実をいうと、この最新作「夏の残骸」は、例によってボツ作品なのである。
それも編集部に持ち込んで「ボツ」になったワケではない。
自分自身、「これじゃあ、不採用だな」と判断して、「お蔵入り」させた作品なのだ。
じゃあ、なぜわざわざ、そのような作品を今回アップしたかというと、個人的には好きな作品だからだ。ある意味、今まで配信した全作品中、一番好きな作品かも知れない。
と言うのは、自分の「素の部分」が、けっこう色濃く出ているからだと思う。
例えば、主人公の服装など、当時わたしが着ていたモノとそっくりだし、また、内容自体、わたしの実話に基づいている。
だからこそ、お気に入りの作品であり、また、同時に「恥ずかしい作品」でもある。
読み返すたびに、いろんなことを思い出して「正視に耐えられない」のだ。
しかしこのような「私小説的」な作品をいくら描いても、やはり漫画家としては「失格」である。結局、この作品を最後に、わたしはついにブチ切れて(?)、ぜんぜん違う作風へと変質する。
次回作より、その「ブチ切れ具合」を楽しみに、どうぞお待ちいただきたい。
ところで、どうして今回、こんなに配信までに時間が掛かったかというと、
実は、あるページを描き直そうかどうか悩んでいたからなのだ。
それは13ページの1コマ目である。
読んでいただいた方は、果たしてどう思ったのか分からないが、わたしとしては、あまりにも「変な絵」に思えるのだが、いかがだろうか?
実はこの絵は、当時、描いてる途中でインクをこぼしてしまい、仕方がないので黒く塗りつぶしたモノなのである。つまり、その当時の「苦肉の策」だったワケだ。
そこで今回、このコマを描き直そうと思いたったのだが、実は描けば描くほど、どんどんおかしくなってしまい、結局、「アホらしくなって」、初稿時のままで発表することにした。
(実はほんの少し、Photoshopで部分修正しましたが)
まあ、そういう経緯があったため、配信が遅れましたことを、ここにお詫び申し上げます。
もっとも「13ページのコマうんぬんと言うよりも、全ページ描き直した方が良かったんじゃない?」などという意見があるかも知れませんが。(……)
13ページの事より、Fのかんりにんの感想は・・
書いてもいいかな~?
駄目なら消して下さいね
主人公が、13ページの彼女がしわしわになってから
彼女に冷たいと思います!!
僕ならたぶん彼女を渡さないと思うし、何とか元に戻す方法を模索していくでしょう・・
次の夏までしわしわの彼女回復を待って
家に持ち帰るかな?
主人公と彼女が形を変えて(虫とか植物になるとか)
主人公も夏のアイテムになってしまうとか・・
兎に角、仮面の連中に渡したくないなぁ~
と思いました・・・(感想文でした)
こんばんは、さっそく読ませていただきました。
なんとも切ない物語。僕はそう感じました。
こういう雰囲気の作品すきです。
好きなシーンは4ページ1コマ目の回収人登場の場面です。
シルエットがかなり効果的に使われていて、非現実感みたいなものがよく表現されていると思います。
欲を言えば、主人公が最後なにかわからないけど涙があふれるみたいなシーンがあれば、もっと切ない感じが倍増していたかもしれませんね。個人的ですいません。
次の作品も楽しみにしてます!
みなさん、「感想文」ありがとうございます。
なるほど、いろんな意見があるもんですね。参考(?)になります。
Fさんへ、
この作品は、テーマがそもそも「ひと夏の恋」だったもんだから、
こういう展開になったワケです。
本文にも書きましたが、これはわたしの実体験が元ネタになっていて、
夏が終わると同時に、それまで付き合ってた女性と、
自分でもビックリするくらい冷め切ってしまった、その「さま」が、描きたかったのです。
まあ、それならそれで、他にもっと良い表現方法があったかも知れませんが、
これがわたしの「限界」です(笑)。
kenさんへ、
ラストシーンについてですが、実はいくつかバリエーションがありました。
もっとも十年前のことなので、他にどんなシーンを用意していたかは、ハッキリ憶えてないんですけど……。
最終的に「セミ」で終わらせましたが、いくつかあった案の中で、
一番「無味乾燥」なものを、あえて選んだ記憶があります。
なぜ、「あえて」それを選んだのかは、もはや忘れてしまいましたが。
ところで、次作以降は、完全に毛色の違った「ブチ切れた」作品のオンパレードとなります。
どうぞ、ご期待(?)ください。